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米国CPI発表:主要な期待と市場の反応

Mar 12

読了時間:3分

更新日: 2025年3月12日

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Source: Getty Images


経済の不確実性の中で注目されるインフレデータ

2025年2月の米国消費者物価指数(CPI) が本日 12:30 GMT に発表され、インフレ動向や金融政策の方向性を見極める重要な指標となります。


エコノミストは、前月比0.3%の上昇 を予想しており、1月の0.5%から鈍化 すると見込まれています。これにより 年間インフレ率は2.9% となり、2023年初頭以来の3%以下に低下する可能性があります。食品とエネルギーを除くコアCPI前月比0.3%の上昇 が見込まれ、年間ベースでは 3.1%(1月は3.3%)に減速 すると予想されています。


これらのデータは、米連邦準備制度(FRB)の利上げまたは利下げに関する市場の予想 に大きな影響を与えると考えられています。


インフレに影響を与える主要要因

現在のインフレ動向には、以下のような要因が影響を与えています。


  • 賃金の伸びの加速 – 予想以上の賃金上昇が、サービス業のインフレを引き続き押し上げる可能性。

  • サービス価格の下落 – 住宅費や交通費の一部が緩やかに低下し始めている。

  • 貿易関税による物価上昇圧力米国がカナダ、メキシコ、中国からの輸入品に対して新たな関税を導入 しており、これがインフレを押し上げ、景気後退と高インフレが共存する「スタグフレーション」リスクを高める可能性がある。


さらに、2025年4月2日から適用予定の新たな輸入関税 により、インフレの加速が懸念され、FRBによる金融緩和の開始が遅れる可能性があります。


市場の反応と今後の見通し

本日のCPIレポートは、FRBの次の政策決定を見極めるため、市場関係者に注視されています。


  • 米ドル指数(DXY) はテクニカル指標でレジスタンスレベルに接近しており、短期的なボラティリティの可能性が示唆されている

  • 株式市場 は慎重な姿勢を保っており、予想以上のインフレが確認された場合、2025年後半の利下げ期待が後退する可能性がある

  • 債券利回り は引き続き圧力を受けており、インフレの粘着性を懸念する投資家の姿勢を反映している。


投資家にとっての意味

本日のCPIデータは、市場のセンチメントやFRBの金融政策方針 に大きな影響を与える可能性があります。もしインフレが予想通り鈍化すれば、2025年後半の利下げ実施に向けた期待が高まる でしょう。しかし、インフレが高止まりした場合、FRBは利下げの開始を遅らせる可能性があり、株式市場、債券市場、外国為替市場のボラティリティが高まるリスク があります。


特に、貿易関税や賃金の伸びがインフレに与える影響が注目されており、投資家は FRB議長ジェローム・パウエルの声明や今後の金融政策発表 を引き続き注視する必要があります。


記事の出典

  1. U.S. Bureau of Labor Statistics. (2025). Consumer Price Index Report for February 2025. Retrieved from www.bls.gov

  2. Federal Reserve. (2025). Monetary Policy Update and Inflation Outlook. Retrieved from www.federalreserve.gov


Mar 12

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