2025年6月16日 更新
本日、国際金融市場は大きく揺れ動きました。イスラエルとイランの地政学的緊張の激化に伴い、エネルギーの供給、イン flレ、金融政策の行方に対して警戒感が広がっています。
原油価格は数か月ぶりの高値に上昇
ブレント原油は１バレル＝ 75ドルを突破し、ウェスト・テキサス・インターミディエイト（WTI）も 74ドルに達しました。週に約11％上昇しており、これは数か月ぶりの大幅値上がりです。その主因は、ホルムズ海峡周辺の緊張に伴う供給不安です。ホルムズ海峡は、世界の原油の約20％が通過する重要ポイントです。
この値上がりに伴って、アジアの輸入依存国はエネルギー価格の負担増に直面しており、一方の産油国は収益増という恩恵も受けています。
安全資産として買い集められている金
金は約 3,450ドルに近く上昇しました。地政学的緊張に伴うリスク回避の買いに加えて、「プラネタリー・トリガー」とよばれているレアなチャートポイントも買いの材料に働き、金の上昇に拍車をかけました。
これは、不安定な時に買い求められてきた金の歴史的役割を改めて印象付けます。緊張が続く限り、この買いは続く可能性があるという声もあります。
投資家心理は後退 — 楽観に陰り
株式および為替市場では、地政学的緊張、金融政策の不透明性、中国の産業生産の低迷という複数の理由により、投資家心理は後退しました。ドルは買いに回り、アジアおよび欧州の株式は値 下がりしました。
中央銀行にとっても難しい局面です。エネルギー価格の上昇に伴うイン flレ圧力に対して、どう対応していくべきかという課題に直面しています。
要約:
ブレントは 75ドルを突破 — 週に約 11％上昇。
WTIも 74ドルに到達 — 供給不安に伴う買い。
金は約 3,450ドルに上昇 — 地政学的緊張とプラネタリー・トリガーに後押しされた買い。
投資家心理は後退 — 株式 は下落し、ドルは買いに。
見通し:
地政学的緊張が続く場合:
原油はさらに上昇し、イン flレの負担に直結する可能性も。
安全資産としての金の買いも継続し、ドルも買いに回る展開に。
株式は買い控えに直結し、値下がりする可能性もある。
中央銀行は難しい舵取りに直面しています。
