
更新日 2025年4月7日

4月第2週に突入し、金融市場は投資家心理を大きく揺さぶる可能性のある経済イベントと政策変化の波に備えている。貿易摩擦の激化から、重要なインフレ指標、中央銀行の見解に至るまで、今週は2025年第2四半期の流れを決定づけるかもしれない。
関税摩擦が再燃
地政学的な注目は引き続き米中間の貿易動向に集中している。水曜日に米国が新たな関税措置を実施し、それに対し中国は木曜日に34%の報復関税で応じる予定だ。この動きが市場の不安定さを再燃させ、世界中の投資家の間でリセッション懸念が広がっている。
市場は現在、世界経済の成長見通しだけでなく、こうした貿易変化がインフレや金融政策全体に与える影響についても見直しを進めている。
注目の米国インフレ指標
今週は3月の消費者物価指数(CPI)および生産者物価指数(PPI)に注目が集まっている。これらのデータは、2月に予想外に弱かったCPIの流れが一時的なものなのか、あるいはディスインフレの始まりなのかを判断する手がかりとなる。
これらのインフレ指標は、FRBの今後の政策決定にも影響を与えると見られており、インフレ抑制と経済成長維持のバランスが引き続き問われる。
第1四半期決算がスタート
JPMorgan Chase、BlackRock、Wells Fargoといった大手金融機関が第1四半期の決算発表を予定している。アナリストは、金利や政策の変動に銀行がどう対応しているかに注目しており、これにより消費者信用、貸出動向、投資家のリスク志向の傾向が読み取れると期待されている。
好調な決算は株式市場を下支えし、不透明な状況の中でも金融セクターの信頼感を安定させる可能性がある。
FRB議事要旨と当局者の発言
水曜日には、FRBが3月の政策会合の議事要旨を公表する予定。投資家はその詳細を分析し、インフレ見通し、金利動向に関する判断、リスク評価の考え方を探るだろう。さらに、オースタン・グールズビー氏やジョン・ウィリアムズ氏といった主要当局者の講演が、市場の期待をさらに形成する可能性がある。
現在、市場は利下げの可能性を秋以降と見ており、その中で政策スタンスのわずかな変化も厳しく精査されるだろう。
その他注目すべき経済指標
今週の流れを補完する形で、以下の重要指標も注目される:
カンファレンス・ボードの消費者信頼感指数(火曜日)
耐久財受注件数と新規失業保険申請件数(木曜日)
住宅市場データ(ケース・シラー指数、新築住宅販売件数)
消費者心理や中小企業楽観度に関する調査
これらのデータが、インフレ圧力や世界的な不確実性の中で経済の底堅さが保たれているかどうかを判断するカギとなるだろう。
記事の出典
U.S. Bureau of Economic Analysis. (2025). Economic Indicators & Data Releases. https://www.bea.gov
Federal Reserve. (2025). FOMC Meeting Materials and Economic Projections. https://www.federalreserve.gov
U.S. Department of the Treasury. (2025). Trade and Tariff Announcements. https://home.treasury.gov
U.S. Bureau of Labor Statistics. (2025). Consumer Price Index and Producer Price Index Summaries. https://www.bls.gov
The Conference Board. (2025). Consumer Confidence Survey Results. https://www.conference-board.org