
2024年11月11日更新

出典: ブルームバーグ / 寄稿者 / ゲッティイメージズ
重要なポイント
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世界最大のリチウム生産者であるアルベマール(ALB)の株価は月曜日に5%上昇し、S&P500指数の中で最も好調な銘柄となった。この急騰は、米国政府がネバダ州での大規模なリチウム採掘プロジェクトを承認したことを受けて起こった。これはバイデン政権下で承認された最初のリチウム鉱山となる。
このプロジェクトは、別のリチウム生産者であるオーストラリアのアイオニア(IONR)社(ライオライトリッジリチウムホウ素鉱山の連邦政府認可を取得)の承認を受けたが、アルベマールの株価はこのニュースの恩恵を受けた。アイオニアの米国預託証券(ADR)も月曜日に7%以上上昇した。
米国、EV鉱物サプライチェーンで中国との競争を推進
ライオライトリッジプロジェクトの承認は、電気自動車(EV)バッテリーに使用される重要な鉱物に関して中国への依存を減らすという米国の取り組みの進展を示している。現在、中国は世界のリチウム精製能力の3分の2以上を管理している。
国内鉱業を活性化させる税額控除
承認と同時に、米国政府は国内のリチウム生産を奨励する措置を導入した。財務省は、米国製製品に対する10%の生産税控除が、材料の加工が行われることを条件に、原材料と抽出コストにまで拡大されると発表した。これまで、これらの控除はバッテリー製造に限定されており、原材料リチウムの採掘業者は除外されていた。
アナリストらは、この税額控除の延長は米国を拠点とするEVバッテリーサプライチェーンを構築し、中国からの輸入への依存を減らすための重要なステップだとみている。
アルベマールへの影響
ネバダ州にあるアルベマールのシルバーピーク鉱山は現在、米国で唯一のリチウム採掘場である。アイオニアが新たに承認したライオライトリッジ鉱山に加え、リチウムアメリカズ(LAC)もゼネラルモーターズ(GM)の支援を受けてタッカーパスでプロジェクトを開発している。
追加の税額控除と投資は、アルベマールのような米国を拠点とするリチウム採掘会社にとって良い前兆であるが、リチウム価格の低迷と不確実なEV需要が同社の株価を圧迫している。月曜日の上昇にもかかわらず、アルベマールの株価は年初来で約32%下落している。
記事の出典
ロイター。「バイデン政権、アイオニア社のネバダ州リチウム鉱山を承認。」
フィナンシャル・タイムズ。「米国、EV用鉱物に対する中国の支配を打ち破るためリチウムプロジェクトを承認」
ロイター。「米国財務省、鉱山会社にクリーンエネルギー製造補助金の利用を許可。」






